昨夜のNHKクローズアップ現代で、木質燃料の放送がありました。
木質廃材をチップにして燃料に使っている様々な取り組みが取り上げられていました。捨てられるだけだった廃材を燃料にして発電する会社があり、工場で使う電力を自分の所で木質チップで発電して、年間40億円かかった燃料代を半額に減らしいる製紙工場があったり、民有林を町で間伐して、それを燃料にして公共施設に給湯している自治体もありました。
二酸化炭素を減少させる森林の価値を見直す好事例だと見ていました。しかし内容は違っていました。(写真は我が家の貯木)
ネックは値段の問題です。解体廃材なら安価で入手できるので、化石燃料に変わることができ、奪い合いになっているそうです。
地の利が悪い森林の間伐材は、運び出すのに高くついてしまいます。この辺りの問題は、国家プロジェクトで、無駄遣いを省いて林道整備や林業労働者の育成に予算を投入すれば良いのにと思います。
しかしギョッとすることも浮かんできました。安い廃材が奪い合いになるほどの状況です。比較的平地に広がる里山の広葉樹に目を向けられて、大量伐採が始まったらどうなるのか。
あり得る話です。現在進んでいる合板材料のアカマツの大量伐採の状況を見ると、化石燃料代わりに伐採されたら、こんな規模ではないでしょう。あっという間にはげ山ならぬ、はげ林になってしまいます。
そしたら森林の果たす二酸化炭素の抑制力は、なくなってしまいます。
待てよ、二酸化炭素減少のために、木質バイオを活用するのであるが、そのために森が皆伐されてハゲ林になったら、二酸化炭素の抑制はできなくなる。何か分からなくなってきました。こんなこと、まだ先の話かもしれませんね。年寄りの冷や水かも・・・・。