本日は北杜市で「金田一春彦 ことばの学校」が開かれました。今年で10回目となります。毎回素晴らしい
方をお迎えして、続けられています。国語学者の金田一春彦氏と北杜市の関わりは、文献資料によりますと
昭和39年に、金田一先生が現在の北杜市大泉町に別荘を建て、ここで執筆をしたことが縁の始まりです。
平成8年に当時の大泉村長が図書館の設立を構想し、金田一先生に本の寄贈を依頼し、2万冊の蔵書が村に寄贈されました。平成9年に14億円をかけて、八ヶ岳大泉図書館の建設が始まりました。
平成10年に図書館は竣工。金田一先生の蔵書を集めたコーナーは「金田一春彦ことばの資料館」と名付けられました。この「ことばの資料館」を母体として金田一春彦先生を校長に迎えて「ことばの学校」が始まりました。現在は長男の金田一真澄さん(慶大教授)が校長を務めています。貴重な方言を見直し、ことばの魅力を通して地域を発展させていこうとしています。
これまでの記念講演には下重暁子さん(元NHKアナウンサー)、芳賀綏さん(東工大教授)、落合恵子さん(作家)、次男の金田一秀穂さん(杏林大学教授)、城生佰太郎さん(筑波大大学院教授)、遠藤泰子さん(アナウンサー)、ヨネヤマ ママコさんなど多彩な著名人が出演しています。今年は女優の竹下景子さんが出演しました。
ここまで持続させるには、大勢の汗が流されてきたと思います。大切にしていきたい催しです。
私事ですが、昭和60年に現在の北杜市長坂町にギャンブル施設の誘致話がおき、新聞の朝刊の「国蝶オオムラサキの里にギャンブル施設」という見出しで、そのことを始めて知った私は、地元の青年達(当時)と反対運動に立ち上がりました。最初は多勢に無勢で勝ち目はありませんでしたが、恐いモノ知らずの若者の必死の行動に、婦人会、PTAなどが応援に加わりました。その時に金田一春彦先生が、反対集会に参加され、激励の言葉をおくってくれ勇気づけられました。約一ヶ月の損得を考えない若者の反対の叫びにギャンブル施設の計画は、撤回され平穏な里山に戻りました。
その後、61年に仲間達とオオムラサキの保護の為に、弁当を販売して資金にする計画をたてました。弁当の表紙に、有名な画家にオオムラサキの絵を描いてもらい、金田一先生にオオムラサキ(雑木林の妖精)の歌を作ってもらうことにしました。画家の宿で知られる旅館の長男坊が画家の交渉に当たり、私は自作の米15㎏を手土産に、金田一先生の世田谷のお宅にお願いに伺いました。先生は、快諾してくださり次の歌を寄せて下さいました。
「北甲斐の 夏の山野に舞い遊ぶ 紫衣の佳人は 森の精かも 」
この弁当は、今は販売していません。