朝、薪の注文を受けていた大泉町のペンションに配達しました。太い薪だったのか、買い主の方が、え~これ~と言って少し戸惑った感じ。太い薪は燃焼時間が長くなりますよと言いました。
別の薪希望者が軽トラで購入に来ましたので、薪ステーションに案内しました。
南アルプス学の講座に使うための南アルプス沿いの集落の雑木林や棚田を写真に撮って歩きました。上流側の白州町から韮崎市、南アルプス市、増穂町辺りの里山を調べてみました。驚いたのは、集落や耕作地と里山林の間に、延々と電気柵が張ってあることです。まるで国境地帯のようです。鹿やイノシシ、猿から人里を守るために設置したのです。人間との関わりが深い里山林が、冊の外にあることが異様でした。
白州町では、山里の奥に昔盛んだった炭焼き窯の跡が、いくつもありました。サントリーの工場敷地内には、コナラ林があってオオムラサキが生息しています。
南アルプス市の山里の集落で、果樹の剪定をしている農家の方に果樹栽培の前は何を耕作していたのか
聞いてみました。その方によると、広大な果樹畑は、水田だったそうです。そして、今頃は近くの山から落ち葉を集めた堆肥を作ったり、山を大切にしていたそうです。雑木林がいらなくなって、ヒノキを植林したが、この辺のヒノキは価値が低く切り賃を要求されて、皆山を放置しているとのことでした。そこへ猿やイノシシが登場して、電気柵を設置して、里山と人々は行き来が無くなっているようです。何処を歩いても、里山林と耕作地は切り離されていました。
増穂町の山里では、棚田の奥に山があって、クヌギの切り株の傍にユズの木があったり、桑の台木があったりして、昔は田圃を潤す雑木林だった山を桑畑に切り替え、桑畑をユズに切り替え、最近はヒノキを植林したようです。
いずれにしても、里山林は荒廃していたり電気柵で切り離されているのが現状です。
人の生活様式が変わっていくことで、南アルプスの里山林も変わっています。
【写真説明】 上から1枚目サントリー敷地・2枚目炭焼き窯跡・3枚目電気柵・4枚目クヌギの切り株とユズ
5枚目芦倉耕作放棄地・6枚目北杜市売り地・7枚目南アルプス市電気柵・8枚目昔水田だった果樹畑 9枚目増穂町棚田の奥はユズ畑 10枚目韮崎市クヌギ台木 11枚目 果樹農家