ドクトルマンボウ昆虫記などの著者で、今年10月に亡くなられた北杜夫さんの追悼展を来年早々から始めます。その準備を始めていますが、この企画展に使う資料の所有者である新部さんが、来館しました。新部さんは栃木県庁の部長補佐ですが、若い頃ドクトルマンボウ昆虫記を読んで北さんのファンになったそうです。それ以来、北さんと親交を深めていた方です。資料の説明を受けましたが、新部さんの親交の深さが分かりました。
北さんが自ら集めた昆虫標本や北さんがずっと使い続けた昆虫図鑑、北さん最後の手紙、北さんと親交のあった鳩山邦夫さんらの追悼文等々貴重な資料が豊富にあり、大人向けの楽しい展示になります。
新部さんの提案で、かなり前にテレビ番組「すばらしき仲間達」で深沢温泉(廃業)の庭で、北さん、奥本大三郎さん、鳩山邦夫さん、真野あづささんが昆虫談義をしたことがあり、その時の色紙があるかも知れないということで、深沢温泉の奥様に話をしてみました。残念ながら奥本さんの色紙は何処かにしまってあるかも知れないが、分からないとのことでした。
7月にテレビの「小さな旅」に私も奥様も出演しましたが、奥様が私たちの里山再生のササ刈りや植樹の場面を見て、「亡くなったおじいさんが願っていた、オオムラサキの森を守る活動を、貴方たちが続けていることに感無量です」と言っておられました。
虫を介して、こんなにも大勢の人々との物語があることに気づき、人の生き方に深く重い何かを感じた日でした。